「嫌われる勇気」アドラー心理学に触れた衝撃

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2014年も半分終わりましたね!
あと6ヶ月、何をしようかワクワクしている、櫻田こずえです、皆さまごきげんよう!

そんな時に気が早いですが、2014年のベストブック間違いなしの一冊です。
線引っ張り過ぎ、折り過ぎで、本が膨張してます(笑)

■ 「原因論」と「目的論」という考え方の枠組みに衝撃を受ける

ずーっとずっと、人はなぜ過去の「自分以外の人や環境の影響」
を引きずって生きなきゃいけないのか、疑問に思い続けてきました。

それを否定したいのではなくて、そういう人が心から自由になるためには、
その「どうしようもなかった過去の経験」に正面から向き合って、
その「トラウマ」を乗り越える必要が本当にあるのか、疑問だったんです。
だってすごく辛そうで、困難に見えるから・・・自分も含めてだけど。

トラウマって、自分の思い通りにならない「他者」が介在する場合がほとんどだし、
さらにそれは「過去」のことであるから、それはもう out of control で、
それに囚われたままでいることは、本当に苦しいことだと思うんです。

フロイト的な「原因論」に拠ると、トラウマ的な「原因」が外から降って来て傷つき、
「結果」として自分のこの性格や悩みが出来上がった、という発想になるから、
原因を特定してそこをひもといていくしかないよね、というお話しになってしまう。

でも、それになんとなく違和感を覚え続けていたのですが・・・

アドラー心理学はトラウマを明確に否定します。P29

図書館でふと手に取ったこの本のこのフレーズを読んで、購入を即決。
帰りに本屋さんで買って一気に読みました。人気の本でびっくりしました。

われわれは原因論の住人であり続けるかぎり、一歩も前にすすめません。 P28

そうなの、そうなのよ。
外に原因を求めていると、前に進むどころか、後ろばかり見ることになり、
そして結局は自分をどんどん追い込んでしまう・・・

これまでの人生に何があったとしても、今後の人生をどう生きるかについてなんの影響もない。
自分の人生を決めるのは、「いま、ここ」に生きるあなたなのだ。P56-57

もう、ここまで読んで、涙が出ました。

#もちろん、辛い経験などその人に何も影響を与えない、そんなの気にするな、
#と言っているのでは全然ないんですよ。それは本書を読んで頂ければ分かります。

■ 「原因論」ではなく「目的論」を取ることで、状況は一変する

原因論は「原因」があって「結果」があるってことだよね。
小さい頃お父さんが浮気したから、男性を信頼できなくなってしまった、とか、
小さい頃愛されなかったから、他人を愛することができない、とか。

で、目的論?何だろうそれ?

例.1)嫌な上司がいて、仕事ができないんです、もうストレスで・・・・

「あの上司がいるから、仕事ができない」と考える。これは完全な原因論です。そうではなく「仕事をしたくないから、嫌な上司をつくり出す」と考える。あるいは「できない自分を認めたくないから、嫌な上司をつくり出す」。こちらは目的論的な発想になります。P149

例.2)欠点ばかりの自分が嫌いです・・・・

なぜあなたは自分が嫌いなのか。なぜ短所ばかり見つめ、自分を好きにならないでおこうとしているのか?それはあなたが他者から嫌われ、対人関係のなかで傷つくことを過剰に恐れているからなのです。あなたの「目的」は、「他者との関係のなかで傷つかないこと」なのです。

男性に振られて自尊心を傷つけられるのが怖いから、信じる勇気を出す代わりに父親の浮気を持ち出す。
他人を愛する勇気が出ないから、愛されなかったという物語を作る。

目的論で考えると「今ここにいる自分」が主体になる。
一見厳しいけれど、目的論で考えることで、自分で解決できる問題になる。

アドラー心理学は、この「目的論」だけがすべてでは、もちろんありません。
人生の嘘、共同体感覚、人生のタスク、勇気づけ、自己受容・・・
「すべての悩みは対人関係の悩み」と言うアドラーの心理学に、是非触れてみて下さい。
入門書としてこの本以上に素晴らしいものは無いと思います。

あなたの不幸は、あなた自身が「選んだ」ものP44

問題は過去ではなく、現在の「ここ」にあります。あなたが変われないでいるのは、自らに対して「変わらない」という決心を下しているからなのです。

アドラー心理学は他者のせいにしないので、厳しい側面もあるけれど、
なぜそれを厳しいと自分が感じるのか、そこから考えて行くと、
今まで袋小路にハマっていた悩みが、少しずつ溶けて行くような気がします。

他者の視線を気にしている。それは他者への関心ではなく、自己への執着に他ならない P183

健全な劣等感とは、他者との比較のなかで生まれるのではなく、「理想の自分」との比較から生まれるものです。P92

櫻田は、プライドが高いのに劣等感が強い、という自分の性格が嫌いでした。
どうしてそうなってしまうのかも、分かったような解釈をしながら、結局変わらない・・
でも、アドラー心理学に出会い、それを原因論ではなく目的論で考え、
そして「健全な劣等感」の枠組みで自分のことを考えるようになって変わりました。

「自慢する人は自信が無い人」というのもまさにその通りで、
変なプライドがあるのも、自信がないからで・・・・

いろいろな自分の悩みを、違う視点で捉え直すことで状況が一変する、
というパラダイムシフトの衝撃を味わうことができました。

アメリカで書かれた自己啓発本は、アドラー心理学に影響を受けたものがとても多いそう。
例えば、カーネギーの著書や「7つの習慣」に、
アドラー心理学の応用を明確に見ることができます。

今まで沢山の自己啓発本を読みましたが、
心理学のバックグラウンドをフロイトやユングに置いていたから、
(と言う程勉強してませんが・・・)
どこかで理解にねじれが生じてしまって、
「なんとなくすっとしない」感じがあったんだなと思いました。

だから、アドラー心理学の本を読んで、ものすごくすっきりしました。

■ 大マジメな本なのに、ゆえに笑えてしまうww

この本は、青年と哲学者との対話形式で進められます。

青年はフロイト的「原因論」心理学にベースを置いており、
口論は達者で頭の回転も早い(たまに空回り)。
しかし、人付き合いは苦手で、自分に自信がないけどプライドは高い。

そんな青年が「人は変われる」「誰しも幸せになれる」とか言う、
アドラー心理学を研究する哲学者に「是が非でも論破してやる!」
と、食って掛かる設定です。

ええい、くだらない!なんて馬鹿馬鹿しい考えだ!
な、なんですって!
しかし・・・しかし、それは納得しがたい!
わたしを糾弾されるおつもりなのですね!
あなたはわたしをペテンにかけようとしている!

こっちがくすぐったくなるような青い台詞、過剰反応が乱発されます。
これは、狙ってやってるとしか思えません。
そんなやりとりに苦笑しつつ、そういえば程度の差こそあれ、
私も青年のような考え方を持っているかも・・・と読んでみると面白いと思います!

■ アドラー心理学オススメ書籍

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