2年ぶりに岡山のおばあちゃん家に泊まって来た櫻田こずえです、皆さまごきげんよう!その2。
1つ目の後悔は、衰えに気づいてあげられなかったことでしたが、
今日は2つ目の後悔の話です。
上を向いて歩こう
おばあちゃんは、夜寝る時、足が痛くて眠れなくなってしまうので、30分くらいかけて自分でもんだり、薬を塗ってから寝ています。
おばあちゃん家に行った時は、櫻田がもんであげるのですが、もんでる間に二人とも寝てしまったり。
足をもんであげながら、おしゃべりするのがまた楽しいのですが、ふと、ベッドにボロボロの紙が張り付いてるなーって思って、何が書いてあるのかと思ったら、「上を向いて歩こう」の歌詞でした。
一人ぼっちの夜・・・
その歌詞に何度も出てくる「一人ぼっちの夜」というフレーズが苦しくて、初日は眠りかけていたおばあちゃんには何も言いえず、ただ、胸が締め付けられるような苦しさを感じながら、おばあちゃんが眠ったのを確認して自分も床につきましたが、なかなか寝つけませんでした。
眠れない夜、どんな想いでこの歌を口ずさんでいたんだろう・・・。
一人ぼっちの夜・・・
翌日の夜、マッサージしながら聞いてみました。
「おばあちゃん、上を向いて歩こう、好きなの?」
「新聞に歌詞が出ててな、書き写しただけじゃ。」
うんともううんとも言わず答えるおばあちゃんの「だけ」に表れた気持ちを思う。
いっしょうけんめい書き写すおばあちゃん。それをここに貼ったおばあちゃん。切れて来てしまって、テープで貼り直したおばあちゃん。
どれもおばあちゃんにとっては大変な作業だから、強い意志を持ってやったことだと思う。
「こんな長生きしとうなかった。。。早う灰になりたい。。。」
何度も聞くこの言葉だけれど、今夜は一層、どうしようもない気持ちになる。
言葉に詰まってしまうから、もう寝ちゃったのか、まだ起きているのかわからなかったけど、足をもみながら、下手くそなりに歌いました。
「上を向いて歩こう、涙がこぼれないように・・・」
自分で足をもみながらひとり眠りについて、足の痛みでまた起きて、トイレで起きて、弱った足腰を情けなく思いながら、ひとりぼっち眠りにつくおばあちゃんを想いながら。
「ひとーりぼーっちのよーる・・・」
途中で涙が止まらなくなってうずくまってたら・・・おばあちゃんは、スヤスヤ気持ち良さそうな顔をしてとっくに眠りについていました。
ずっと来られなくて、いや、ずっと来なくて、ごめんね。
来なかった理由をいくつあげてみても
おばあちゃんは、わりと人間不信、人間嫌い。
プライドが高く、愛想も悪いし、ズケズケ言う←そこが好き
老人ホームでみんなでお遊戯なんて、へっって言っちゃうタイプ。
目の手術で入院した時も、自分で好きな時に好きなことができない環境が我慢できなかったみたいで、二度とあんなところへ行きたくない、一人の方がいいと何度も言っていた。
そんなおばあちゃんの、一人ぼっちの夜・・・。
東京に呼び寄せることもできない。私が移住すればいいんじゃないか?でも、夫は?介護別居?いやまだ介護という段階じゃないし・・・そもそもそんなこと求められてない?
これからの心配を数え上げればキリがないし、周囲や関係者の気持ちやバランスもあるから、櫻田が出しゃばって何かすることは許されないし、おばあちゃんのためにならないだろう。
★
でも、今後のことはともかく、なぜもう少し早く、せめて一年に一回くらい、来られなかったんだろうかと後悔する。
いや、いろいろあって来たくても来られなくて・・・と「できなかった理由」をいくつも考えて、自己正当化しようとする自分に辟易する。
こんな記事を書いていたら、なぜおばあちゃんの家に行きたいと思うのか、少しずつ分かって来た気がしてきました。
ま、自己満足だよね。