放送大学で心理学の学問的な研究をしつつ、実践的な学びもスタートさせております櫻田こずえです、皆さまごきげんよう!
ところで、櫻田は「聞く」ことは大変下手です・・・まあよく喋るし、自己顕示欲が強いので、話たい、認めてもらいたい気持ちを抑えられない・・・ので、こんな本を読んでみました。
心理カウンセラーが教える「聞く」技術
目次と構成
PART1:すべての成功者は「聞き上手」
(うまく「聞く」ことで人生は劇的に変わる!)
PART2:「聞き上手」が相手の心を開くコツ
(信頼されて初めて人間関係は回り出す!)
PART3:もっとうまく「聞く」ための事例集
(「聞き上手」が困った状況を打開する!)
PART4:「聞き上手」は「話し上手」なワケ
(理解すれば的確なひと言を繰り出せる!)
PART5:押さえておきたい「聞く」「話す」コツ
(さらにうまく「聞く」「話す」ために)
各PARTはさらに細かくトピックに分かれ、1トピック見開き2ページになっており、非常に読みやすいです。
#軽くて小さめの本で、携帯にも良いですよ。
重要な部分にマーカーがしてあるので、時間がなくても要点を拾うだけなら1時間以内で目を通すことができます。
「読み手」のことをよく考えているな〜と感じました!
一回目の通読でポストイットを挟み過ぎてしまうほど、聞き下手な櫻田にとって大切なところだらけの内容でしたが、特に「痛い・・・」「なるほど!」と感じたところをピックアップしてご紹介させてください。
上手に聞けない理由〜聞き手に徹しきれない〜
いやー耳の痛い内容が多かったです、だから櫻田は聞き下手なんだって・・・。
相手の話に「自分」を挟み込んでしまう
はい、それ櫻田です・・・「共感」を示すことは大切だと書いてありますが、共感を超えて、ひょっこり自分が出てきちゃうんですよね・・・。
そしてこれは永遠のテーマ。
「間」をすぐに埋めようとしてしまう
とにかく「間」が苦手で、変な使命感とともに「ここは私が何か話さなくては!」と思ってしまう・・・。
そんなの誰も求めてないし、その「間」を埋めるための櫻田の発言が、誰かの発言の機会を奪ってしまったり、どうでもいい話しでその場をシラけさせてしまっているかもしれないのに。
さらに・・・これ、いいことだと思ってたのに・・・。
「役に立ちたい」気持ちは落とし穴
相談されれば、何かアドバイスをして役に立ってあげたい!と思うのが人情・・・だけど、気遣いのつもりで、自分の考えを他者に押し付けているだけという指摘は、衝撃的でしたが、腑に落ちました・・。
プロのカウンセラーは「とにかくていねいに聞く」以外のことはしなくていい、それ以上のことはしてはいけない、と考えている人も少ないくないそうです。
★
でも、相談に来た人に対して「聞くだけ」・・・相手は満足するのかしら?なんて、心配してしまうのですが・・・。
「聞き手」に徹することで「話し手」の心=自律性の回復に繋がる
まずは、聞き手に徹し、話し手に対して「共感」「受容」すると、
→話し手が理解されていると感じる
無条件に受け入れらていると感じると、聞き手を信頼し、自ずとポジティブ思考になると。
→信頼感が生まれ本音を話すことができる
→話し手自身が自分の心の声に気づく
友達に相談することで、抑えていた心の声に気づいたり、考えが整理できたりして「私こんなこと考えていたんだ!」ってなることありますよね。
→解決方法を自分で見つけることができる
自分で決めたことしか人は実行しない
あぁ、それは真実、そう、それ間違いない!
ここで非常に腑に落ちました。
話し手にアドバイスを与えて依存させるのではなく、自らが道を切り開く力を持つことを助けることこそ、話し手のにとって価値のある聞き方なんだと!
「聞き手」が「話し手」の可能性を信じる、一人の人間として尊敬することが大切なんですね。
アドバイスをするのは話し手の自己満足、「聞く」に徹するからこそ、真に話し手に価値のある対話にすることができる・・・非常に納得しました。
上手に聞くためのテクニック/注意点
この本には、「聞き上手」になるための、すぐに実行できる、具体的なテクニックがたくさん書かれています。
詳しくは本書を読んで頂きたいのですが、以下のようなテクニックをカウンセラーなどの援助職の方は使われるそうです。
・おうむ返し(相手の発言をそのまま繰り返す)
・言い換え(話の要旨を自分の言葉で繰り返す)
・伝え返し(話し手にとって重要だと思う単語を繰り返す)
・マジックワード「そうなの」「そうなんですか」
(理解や共感していることが示されているので、相手が「きちんと自分の話を聞いてくれている」と実感できる相づち)
これは、日常会話の中でも使えそうなので、これから常に意識したいと思います。
また、他にも「聞き上手」になるための注意点などが、分かりやすく、具体例と共に紹介されていました。
・聞き手のものさしで善悪や正誤の価値判断をすることを避ける
・相手の「どうすれば?」には、アドバイスではなく中立的な情報を
・結論は不要 受容が必要
・相手の問題を解決しようとしない=相手の気持ちに寄り添う
この事例集が秀逸!
ネタバレはできないので、ぜひ読んでみてください!
感想
最後の章の内容が、とても心に響きました。
つらく苦しいとき、人は誰かにその気持ちをわかってもらいと願うもの。
それを話し、無条件に受け入れてもらえた時、気持ちに大きな変化が生まれ、より前向きに生に向き合うことができる。
話し手自身が決めたことこそが本質的な問題解決に結びつき、
自分の意志で決めたことだけが幸せを引き寄せることができる。
(多少まとめ直しています)
「聞く」ことは「受動的」ではなく、これほどまでにパワフルで「能動的」だと初めて知りました。
「聞くことに徹する」意味を知り、「聞く」技術を身に着けることは、「話し手」の幸福に繋がる。
そしてそれは、「聞き手」の豊かな人間関係を築き、「聞き手」の幸福にも繋がる。
後は実践あるのみです!