一番好きな映画は?と聞かれれば、間違いなくその第一候補に「風の谷のナウシカ」を入れる櫻田こずえです、皆さまごきげんよう!
映画は好きではないのでほとんど観ませんが、もう、別物です、別腹。
テレビでやってるとつい見ちゃう。
風の谷のナウシカ原作漫画が大好き!
そして、風の谷のナウシカには、原作の漫画本があるんですが、それは、映画の100倍くらい奥が深くて150倍くらい面白いんですーーっ!
読み始めたら止まりません。
#5巻と6巻が逆だよこずえさんっ!
1984年に映画が公開されても連載は終わらず、アニメージュにちょいちょい連載が掲載されるんですが、それがなかなか進まなくて・・・(1982年2月号 – 1994年3月号)
たしか10代の頃?最終の7巻の発売をずーっと心待ちにしていた記憶があります。
わざわざ八重洲ブックセンターに親に連れて行ってもらった記憶も・・・今ならググれば何でも分かるし、ネットでポチればすぐ配達してもらえるんですけどね、あれはあれで良かったなー。
実家に帰った時ふと読みたくなって、自宅に持って帰って、夜更かしして一気読みしました。
今でも毎回読むたびに発見があるんです!
10代の櫻田は、この原作の深い深い内容を理解することはできていなくて、でも大好きで、ストーリーを追うだけで興奮していました。
大学生になって家を出て、その後何度も出たり入ったり(笑)したけれど、ナウシカはいつも実家にいて、事あるごとに読み返していました。
友人の家に長い間居候してたこともあったな(笑)
その後社会の厳しさを知り、挫折を味わい、表と裏があることを学び、悲しみや苦しみを味わい、知識も増えるにつれ・・・この壮大な漫画を自分なりに理解し始めました。
陰と陽の太極図ですが、どちらもお互い無くてはならない存在、不可分、コインの表裏。
トルメキアと土鬼、腐海と人間・・・・激しく対峙させながらも、ギリギリ共存の道を探ろうとする。
汚れた腐海・清純な人間
いい人・悪い人
光・陰
世界で起こっている紛争から、他人の言動、自分の心の中まで、善悪等で白黒つけようとすることの愚かさを思い知らされます。
相手の中に見えるその悪は、善人ぶってる自分の中にあるものだしね。
こういうこと、若い頃は全然感じられなかったし、10年後は全く別のことを感じるかもしれませんねぇ。
★
あと、登場人物の個性や心理描写が深ーーーい!
特に悪役系キャラクターがチラリと見せる優しさや正義感=「陰と陽」を併せ持っているところが、大好きです!
7巻の最後、ヴ王の最期なんて、ほんとカッコイイ!
何度読んでも泣けるマニアックなシーン3選
で、その、好きなシーンやセリフを語りだしたら、一晩二晩かかってしまうのですが、いつもキュンとするシーンを3つ!
それは全て「風使いナウシカ」を愛する人たちの、シンプルな言葉。
異国の僧正
チククと出会った場所で・・・異国の僧正との激しく深いやりとりの後、亡くなった僧正がナウシカに送った言葉。
#これは風の谷のナウシカ4巻くらいだったかな・・・ナウシカの表情が12,3歳の女の子って感じだけど、日本人って(限らず?)、少女に世界を背負わせるモノ、好きよね。
「お行き、心のおもむくままに・・・いとしい風よ」
あうぅ・・・泣。
こう、あたたかい涙が溢れてくる感じ。
祖母・母・娘の、苦しくもあたたかい名作です、また読みたくなった、話が逸れた。
ユパ様
で、自らの命をもって争いを収めたユパ様の最期・・・あうぅ・・・かっこよすぎるユパ様!
これは風の谷のナウシカ7巻
ここ読む時も、いつも号泣。
ヒゲのボリュームがいつも気になるけど。
お次はちょっと変化球だけど、
アスベルッ!
安易にナウシカと恋仲なんかになったりしないアスベルが、ガンシップでナウシカを追うシーン。
これは風の谷のナウシカ7巻
「愛する」にちょーーーっとだけ安易なトキメキを感じつつ、やはり色恋とは別種類の感情が、ない胸をアツくするんですよ!
号泣とかじゃなくて、じーん、という感じ。
ナウシカを守って、アスベルーーーッ!
映画版やラピュタのパズーより存在感が薄いアスベルですが、適度な距離感でいい味出してて好きです。
おまけ:母は私を愛さなかった
今回読んでいて印象的だったのは、全世界を導くスーパーウーマンナウシカが、「母は私を愛さなかった」と言うシーン。
「愛されなかった」でもなく、恨むでもなく、嘆くでもなく。
偉大過ぎるゆえか、背負っているものの重さゆえか・・・底なしの愛と母性を湛えながら、何か孤独感のようなものが常につきまとっていて、「もう、世界なんて投げ捨てて、アスベルに甘えちゃえよっ!」って思います。ナウシカ、頑張りすぎ、背負いすぎ〜←お前は呑気すぎ
自分のことはあまり語らないナウシカ、さらに兄弟11人を亡くしていることなど、彼女の心の闇もまた、彼女を光輝かせているのかもしれません。
★
子供が同じ絵本を何度も読んで欲しがるように、きっとまた読みたくなる、人生で一番読んだ本・漫画です。