櫻田にとって、小林正観さんの、最初で最後の本だと思います。
すごくシンプルで、分かりやすくて、一貫していて、無駄がない。
何冊も読む必要はなく、この一冊を繰り返し読み、心に染み込ませていこう、
そう思わせてくれた一冊でした。
#撮影している櫻田の影が若干映ってますね・・
以前から聞いた事はあった、小林正観さんのお名前。
愛読しているブログに頻繁に登場していて、気になっていました。
なんだけど、このタイトルとか、帯のコピーとか、ちょっと引いちゃって・・・。
先日、算命学カウンセラーの路佳先生のインタビュー時にその名前が出て来て、
空港の本屋さんでふと目が合って、これは読めと言われてるなと手に取り、
岡山⇄羽田の往復で読み切りました。
この出会いに、ありがとう!
めちゃ読みやすいです。
ちょいと分厚いのは、中がこんなふうになってるからです。
■ 神様が存在するらしい?なんか怪しいなぁ・・・
一応、私が40年間、研究してきた結論を言いますと、
どうも、私たちのまわりには「神様が存在するらしい」という結論に至りました。
本を手に取り、ペラッとめくった表紙の裏に書いてあった文章。
怪しい、非常に怪しい。
何の研究?幸せの研究?宇宙の研究?
小林正観さんプロフィール(公式サイト)
http://www.skp358.com/topics/company/company.html
ありがとうを10万回言ったらガンが消えたとか、
「爪」を使ってトイレ掃除したら、億単位の話が次々と寄せられたとか、
もう、怪しい、非常に怪しい。
トンデモ科学とか、インチキ宗教とか・・・
読みながら、そういうことが頭をかすめました、正直。
■ 心をこめなくていいからありがとうと言えばいい?
書いてあることは、科学的に証明されたものでもないし、
何か体系的な思想の一貫で、何かしら妥当性があるとか、
何千年の歴史に基づく・・とかそういうものでもなさそう。
「心をこめなくていいからありがとうと言えばいい」
え?なんと薄っぺらい!
難しい顔して考えるのではなく、
歯を食いしばって我慢するのではなく、
思い詰めたように善行を行うのではなく、
「心をこめなくていいからありがとうと言えばいい」
確かにこの言葉だけ聞くと薄っぺらい。
でも、軽い・薄いって、その漢字通り軽んじられたり、大切に思われなかったりして、
重い・厚いって、ありがたがられることがあったりするけど・・・
本当にそうなのかな。
■ 誰でも使える「現代の念仏」のような
とにかく私たちは、いろいろ考え過ぎ←櫻田の十八番 なんだと思う。
肩に力を入れ、眉間にシワを寄せて、物事を難しく考えて、複雑にして・・。
さらに、自分の欲望に飲み込まれて、自らを苦しめている←毛穴レスの美人になりたいとか
そんな考え過ぎ、求め過ぎの私たちに、
軽やかな「現代の念仏」を与えてくれてるんだと思いました。
念仏を良く知らないクセにたとえ話に使って申し訳ないのだけれど・・ということで、
浄土真宗・お念仏とは 三十七分で 分かる 浄土真宗
http://www2.saganet.ne.jp/namo/sub1nyuumonn45.htm
#是非一度読んで見て下さい~。
特に「七、安心したら努力がない」の部分が、
不安で不安で仕事も手につかない。
やるべきことも忘れて、悩み苦しみに心を奪われていることの方が、
もっと人生としては無意味なものになりそうです。
お念仏の人の特長は、将来が決まって、不安がなくなり、
心おきなく今この時に、精一杯やれることを やらせていただく、
その結果、生きがいが出てくる、喜びの生活が訪れてくることです。
正観さんの主張に通じるところかなと思います。
いや、そもそも、こういった宗教の教えを研究され、ベースとされていると思うので、逆、なのですが。
民衆に「悟りを開け」などと言っても難しい。
だから「これ(念仏)を唱えれば大丈夫」と、最もそうに言う。
ははーっと有り難く唱えていると、悟りを開くのと同じ効果が得られる、的な。
余計なことを考えなくて済むし、理性が邪魔して来ることもない。
神様が味方してくれるようにしたからこれで大丈夫!って、
難しいこと抜きで、ぽんっと、ポジティブスイッチが入る。
各種宗教のお祈りにも、そういう効果があるように思う。
「ありがとう」
は、そんな念仏のようなものなんじゃないかって。
他にも「おんくろだのう うんじゃくそわか」とか「うすさま明王さま」とかも出て来ます。
重みのある有機的な言葉じゃ、むしろその効果が下がってしまうかもしれない。
「成功したいなら、プライドを捨てて、余計なことは考えず、奉仕の精神を持ちなさい!」が、
「素手でトイレ掃除をしてピカピカにするとお金に好かれる!」となる。
そういう、翻訳というか、言い換えというか、なんて言うんだろう・・・
すごく良い意味で「人たらし」だと思いました。
で、たらされた人(?)、素直に実行した人から、
神様が味方をしてくれていることを感じ、幸せになれると思います。
スゴイ本!スゴイ方!
■ 重く、大きな悩みを抱えている方こそ
何か問題が起きた時、何か苦しい状態になった時、
まず櫻田が取るのは、西洋的な解決法。
原因を見つけて、それを除去しようとすることです。
でも、悩みって、それでは解決できない、自分にはどうしようもないことばかり。
そんな時に出来るのは「それを問題と捉えている、自分の考え方を変える」こと。
でも、自分の考え方を変えよう!と思って肩に力を入れても、そう簡単に変えられない。
東洋学的な問題解決の方法は、
「宇宙がそういうふうになっているなら、しょうがないよね」と理解する。
あきらめと書いて、諦観、それは悟り、すべてを受け入れること。
このように、問題そのものに、真正面から取り組むのではなく、
その問題を認識する心のあり方に働きかけ、その事象を間接的に好転させていく方法を、
分かりやすい形で教えて下さる本、と思いました。
いや、分かる、とかいう、理性が邪魔しちゃうような行為を求めていないかも。
目の前の事象に心が囚われなくなるように、洗脳してくれる本です(笑)。
大いに洗脳されちゃおうと思います!
★
文章は一貫して、上から目線ではなく普通の人目線で、
偉そうな感じも、頑な感じも、押し付けがましい感じもしません。
隣りのおじさんが話しているような、温かみのある、そして、簡単な文章です。
そして、まあまあここは一つお願いしますよと「神様」にご登場頂いて、
うまいこと皆をその気にさせ、前向きにさせ、幸せにしちゃう小林正観さん。
神様も喜んで、それっぽく振る舞って下さると思います☆
小さな悩みなら、西洋的解決方法でよいかもしれません。
でも、心身に解決できない重い苦しみを抱えているなら、
生き方を、マインドを変えたいと思っているならば、オススメします!
こういうの受け付けない!胡散臭い!って思われる方、いらっしゃると思います。
一度ペラペラと立ち読みしてみるとよいかもしれませんね〜。
裏表紙の帯部分です。
なお、小林正観さんは2011年に他界されていて、
この本は、生前の著書数冊を再編集したものだそうです。