「私という運命について」白石一文★一つ一つの選択が運命

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この本を読んだのはいつだったけ・・・確か、5年以上前、シェアハウスに住んでいる時で、当時お付き合いしていたバッハ君となかなか結婚に進めなくて、仕事でも悩んで、カウンセリングなんか受けたりしながら、悶々としている頃だったと思う。

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シェアハウスの狭い個室で、泣きながら何度も読んだっけ・・・本がボロボロだよ。

女性作家が描く女性の恋愛モノは、大抵、自分が恋愛に悩んでいる時に手に取る事が多い。

これは、恋愛というくくりを越えて、自分の人生について、沢山の選択肢を前に、思考も心もこんがらがってしまった時に、その若干大げさとも言えるタイトルに惹かれて手に取った本。

「私という運命について」・・・女性にとって、恋愛、結婚、出産、家族、そして死とは? 一人の女性の29歳から40歳までの ”揺れる10年” を描き、運命の不可思議を鮮やかに映し出す、感動と圧巻の大傑作長編小説。(裏表紙より)

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#解説も入れて495ページ。マジで圧巻です。

「どうしようもない運命というものに翻弄されても、受け入れて生きるしかない。」
「自分で選び取ったもの、それこそが運命。」

という、相反する命題の間を揺れ動く、という意味で、全ての女性の心に響く名作だと思います。女性なら、きっとどちらも痛切に感じたことがあると思うから。

29歳から40歳までの10年間の間に、病気や死別、事故、別れ・・・様々な出来事が続々と降りかかるけれど、女性の逞しさ、しなやかさで、時に流され、迷い悩みながら真剣に生きる主人公。

ハイクラスな人物設定や、次々起こる事件がスゴ過ぎて、登場人物の状況に直接「共感」するのはちょっと難しい時があるのですが、彼女が直面する女性としての悩みや迷いは、多くの30代女性が経験するものと同じ。

そういった、ピンチや節目に、「運命」という言葉をもらったり、自分で運命の存在に気付いたり、振り返って、何かに自分が導かれているような感覚を持つ主人公。

運命というのは、たとえ瞬時に察知したとしても受け入れるだけでは足りず、めぐり合ったそれを我が手に摑み取り、必死の思いで守り通してこそ初めて自らのものとなるのだ。

さらに、その運命を運命たらしめるのは、自分の強い意志。意志によって、私という運命が紡がれていく。

命をつないでいく女性は、長い時間の流れの中で、自然に生かされ、運命をもつないで行く・・・そういった、自分を越えた大きな流れを感じ、さらにそれに寄り沿い、意志を持ってその運命を守って生きる時に、女性は強くなれる。

主人公の義母となる女性からの手紙に書かれたメッセージが、この一人の女性の物語の軸になっています。

選べなかった未来、選ばなかった未来はどこにもないのです。未来など何一つ決まってはいません。しかし、だからこそ、私たち女性にとって一つ一つの選択が運命なのです。

物語の前半に出て来たときには理解し難かった、受け入れにくかった文面が、最後に出て来た時はすとんと心に落ちます。

あなたを一目見た瞬間、私には、私からあなたへと続く運命がはっきりと見えました。

我ら女性には人生の選択肢が多く、その選択で自分の人生が大きく変わることが多々ありますよね。そんな人生の岐路で先の見えない分かれ道に怯え、何を選んだらいいのか分からなくて立ちすくむ時がある。

「未来など何一つ決まってはいない。」ということは、未来には、正解も、間違いもない。

本を読んでも、人生の霧は晴れないし、正しい道がどれなのか分からない。けれど、感じるままに、信じた運命を力強く生きよう、一つ一つの選択が紡ぐ、私という運命を守って生きようと、霧の中を歩き出すきっかけになった。

それが、その積み重ねた選択を「正解」にするただ一つの方法なんだと、そっと背中を押して、いや、背中のネジを回してくれたから。

「運命」という言葉が気になったら・・・算命学の「運命」についても読んでみて下さい。「宿命+運命=運勢」

算命学の素朴な疑問「誕生日が一緒なら同じ人生になるの?」〜路佳先生の算命学サロン〜

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