マレック・シュパキエヴィッチさん(Marek Szpakiewicz)のチェロリサイタルに行って参りました、櫻田こずえです、皆さまごきげんよう!
追記:このコンサートの音源が無料で視聴できます。
・マレック・シュパキエヴィッチ★チェロリサイタルの高音質音源が無料で聴ける!2017/1/9まで
いいわ、マレックさんのチェロいいわ〜。ほんといいわ〜←もう少し音楽的な感想をそれっぽく述べられるようになりたい。
強烈な個性や独特の解釈と言うよりも、誰もが安心して聴くことのできる、優しくて正当派の演奏。高揚するというより、心が穏やかになる、癒しのような演奏。きっとすっごく難しい曲を難しいテクニックで弾いているのだろうけれど、まるで挨拶するかのような演奏・・・そんなふうに度素人の櫻田は感じました。
見た目がカッコいいから、癒しだって言ってる訳じゃないですが、目を細めた満面の笑顔に癒されたことは間違いありません。えぇ、その音に、見た目に、両方に癒されたと正直に申し上げましょう。
笑顔がいい!(オフィシャルサイトのギャラリー画像リンク)
幕間で「ちょっと待ってて下さい」(だったかな?)と、片言の日本語をお話しされたり、キュートな一面も・・・さらに癒されるアラフォーチェロ初心者
大人になってチェロを学び始めた同士にも、チェロの音が好きなので生のチェロに接してみたい、そんなふうに思われている方にも、是非聴いて頂きたい!と思いました。どの曲にも、音楽を愛する優しい気持ちがふんわりと広がる、素敵なコンサートでした。
セットリスト:
ショパン:序奏と華麗なポロネーズ 作品3
シューマン:幻想小曲集 作品73
バーバー:チェロ・ソナタ ハ短調 作品6
ラフマニノフ:チェロ・ソナタ ト短調 作品19
ガーシュウィン(シュパキエヴィッチ編): 3つの前奏曲
ガーシュインの前奏曲は、バイオリンとピアノに作曲されたものを、マレックさんがアレンジされたものだそう。オーケストラの編曲、映画音楽なども多く手がけていらっしゃるそう。哀愁漂う美しい旋律のラフマニノフに浸った後に、現代曲のリズム感がとても気持ち良くて印象的でした。
現在は米カルフォルニア州のアズサ・パシフィック大学音楽学部で教鞭をとり、室内楽のディレクターを務めるそう。
大学のオフィシャルサイト:マレックさんのページ(英語)
櫻田にもチェロを教えて下さい!
#飯田橋駅から公式徒歩13分と、遠いのが難点だよトッパンホール。でも、駅からの看板による道案内がパーフェクトで、迷う事はありませんでした。ちなみに、帰りはそのまま神楽坂まで歩き、「加賀屋@神楽坂は旨い!安い!ボリュームたっぷりの大衆酒場」へ。夜のお散歩も楽しめますよ。
大きなマレックさんにおこがましくも嫉妬するチェロ初心者
初めて拝見したリアルマレックさん、めちゃめちゃ背が高くて、チェロのエンドピンが櫻田の2倍くらい伸びてて(膝下の長さが全然違うから・・)、あれはヴィオラですか?って目をこすっちゃうくらい、チェロが小さく見えました。
先日家の周りをチェロ背負って歩いてたら「大きなの背負って大変だねぇ」とおじいちゃんに声を掛けられたくらいの櫻田からしたら、もう、羨ましくなってしまって(笑)
弦を押さえる手もとても大きくて、なんだか、おもちゃを持っているような・・・と、その体格を羨んでもしょうがないのに羨ましてくて羨ましくて(笑)
そうだよ、チェロは手に力を入れてはアカンのだよ!
座席は左サイド、ちょうど譜面台で手元が見えにくくて残念だったのですが、チラチラと。
バッハ:楽器を習い始めると、コンサートが楽しくなるよね。
そうそう!視点が全然変わって来る。醍醐味ですね。ちなみにバッハ君はバイオリンを弾きます。最近全然練習してないけど。
それにしても、右手の弓を掴む手にヘンな力が入っていない!こう、綿を掴むような、そんな感じで・・・と、思わず自分のファーストールをふんわりと掴んでみる。
これでどうやって弦を震わせるのか、全然分からん。
バッハ:楽器を習い始めると、音を出すのがどれだけ大変か分かるから、弾いている人が神様みたいに思えるよね。
そうそう!マレックさん、チェロの神様に見えました。そう、お手本みたいな演奏だったんです。
自分がなかなかできない、移弦の超お手本を目撃したっ!
こずえ:1線、2線、3線、4線。それぞれを弾くときの肩の位置、腕の角度がいつも一緒で、少し弧を描くように等幅に推移している。もう、ロボットみたいに正確で、安定していつも一緒の位置と角度で、スゴイ!さらに、櫻田の苦手な、アップかつ高い音への移弦も、寸分も違わず元に戻っていて・・・
と目を輝かせながら話すと、
バッハ:それ基本中の基本だからさ・・・このレベルの方々には、至極当たり前で、そんな感想むしろ失礼なんじゃないwww
す、すみません、もっと音楽性について語らなければ・・・
こずえ:(うっとりにやにや)いいわ〜。
音楽を表現する語彙を学ばなければ・・・
アンコールは「相馬子どもオーケストラ」との共演
プログラム終了後は、子供たちとマレックさんの共演でした。
ポーランドで育った幼少期に隣国で起きたチェルノブイリ原発事故の恐怖を味わったことで、同じ境遇にある福島の子供たちの未来を音楽によって支えたいという願いを込め、彼は東日本大震災から相馬子どもオーケストラの支援を続けている。(当日配布されたパンフレットより)
中学生くらいなのかな?チェロを弾く女の子達に目が釘付けだったのですが、とてもカッコ良く、優雅に演奏されていて素敵でしたよ!41歳の初心者チェリストの心を揺さぶりました。
緊張する子供達にアイコンタクトを送りながら、楽しそうに演奏するマレックさん。
マレックさんの人柄が垣間みられる演奏で、素晴らしい演奏を聴いた幸せな気持ちが、さらに高まるエンディングでした。
オーケストラを運営するエル・システマジャパン
#収益の一部はエル・システマジャパンへ寄付されたそうです。
CDにサインを頂いて握手してお話しして!
当日はCDが販売されていて「サイン会もある」とのことで、前のめりに購入。演奏後に長い列が出来ていましたが、運良く前から4人目くらいにポジションしました。
大きくて優しい笑顔をたたえたマレックさんは、包み込むような優しさでそこに立っていて・・・緊張し過ぎて何を喋ったかあまり覚えていないし、一生懸命覚えたポーランド語の挨拶もすっかり忘れつつ、こんなことを英語で伝え、
・すばらしい演奏でした!ありがとうございます!
・チェロ大好き。チェロを2年前に習い始めた。
・いつかあなたと共演するのが夢です←ジョーク的にでも真剣に
そして、マレックさんからは
・チェロは素晴らしい楽器だよね。えぇ、是非!
と優しく返答頂き、CDにサインを頂いて、大きな手で包み込むような握手をして下さいました。もう、一気に大ファンに。
一緒に写真を撮っているファンもいて、あ”ーん、櫻田も一緒に撮りたかった・・・と、早めに並んだことを後悔しました。
2015年、2016年と連続で日本公演をしているので、来年も・・・チェロケース背負っていくぜ!
・今回のコンサートの案内
・オフィシャルサイト
・Wikipedia マレック・シュパキエヴィッチ
あぁ、豊かなチェロの音・・・こんな音を、こんな音楽を、櫻田も表現することができたらなぁ・・。
それにしても本当に、弓を持っていない!ジョイントでしかない!あぁ・・・←どうしてもしっかり握りしめてしまう人の溜息